第3章 好きなのはどっち?

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「優也くん、寂しそうだったね」 「は?愛莉?」 テラスに着くと、愛莉が突然言った。 お弁当組の私と愛莉はテラスで先に席をとり、高峯くんと神崎くんは御飯を買いに行ってる。 「やっぱり、うみが高峯くんにとられて寂しいんじゃない?」 「は?あいつ、あんなに友達がいるのよ?」 「分かってないなぁ。優也くんが一番大事なのはグループの友達じゃなくてうみなんだよ」 「へ?」 「特別なんじゃないかな」 「あり得ないわ。常に怖い顔をしている私といるより彼らといた方が楽しいに決まってる」 「そうかなぁ?でも、優也くんってうみや高峯くん、神崎くんといる時の方がリラックスしてる感あるよ?」 「へ?」 「優也くんのグループってとにかく派手でチャラチャラしてるじゃない?まあ、あたしも前はいたけど。優也くん自身はわりと真面目だから無理してそう」 「まあ、部活では鬼の副キャプテンと言われているそうね」 「らしいね!優也くんともランチ出来るようになると良いね」 「わ、私は別に・・・」 「見て!うみたそー!ローストビーフ丼!!めちゃ盛りマックスにして貰った!」 高峯くんはローストビーフ丼を持って席に来た。 「肉で御飯が見えないわよ?」 「大丈夫!俺、肉大好きだから!たーくさん食べれちゃう」 大食いだったわね、高峯くんって。 「やっぱりアメリカ人みたいだね、高峯くん」 「うん!やっぱり肉大好き!でも、最近はお寿司もラブ」 日本に来たてのアメリカ人みたいだわ。 だけど 「お待たせしました」 あ・・・ 神崎くんは焼き魚定食を持って来た。 「対照的ね、二人とも」 アメリカ人と純日本人。 「ちょっ!神崎くん、納豆が好きなのかい?」 「ええ。焼き魚定食頼むと納豆頂けるんですよ。素晴らしいです」 神崎くん、瞳輝いてる。 「俺には無理ーっ!ネバネバ嫌いだよ!和食大好きだけど、納豆は嫌!」 やっぱりアメリカ人だわ。 「納豆の魅力が分からないとは。高峯さん、切腹ものですよ」 「神崎くん、恐ろしい!」 神崎くんにそんな一面が。 意外だわ。
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