第1章 不機嫌なプリンセス

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始業式を終えると、私は自分のクラスへ。 「また優也と同じクラスー!」 「やっぱ安定のこのメンツだよな」 クラスでは優也達のグループが一番目立っていた。 優也の周りには男子3人と女子3人。 相変わらず人気者な奴だ。 小学校の時からずっとサッカーをやっている優也。 昔っからかなりモテるし、男子からも好かれる。 「優也ー!今日、部活終わったら一緒に帰ろう」 「おぅ」 あ・・・ 女テニの水越さんが優也の元へ。 そっか、優也の彼女なんだっけ。 水越さんは小柄でいつも茶色い髪をポニーテールにしている女の子。 優也同様、明るくフレンドリーな性格だし、可愛いから男女問わず人気なんだよね。 お似合いだ。 てか、優也の事はもうどうだって良いじゃん! 私!! 「今日から2年A組の担任をする前原だ。宜しくな」 男っぽい雰囲気の男性の先生が担任だった。 「クラス委員は・・・高瀬、頼めるか?」 「ええ。構いません」 クラス委員も頼まれる事は大方予想していたので、私は快く承諾した。 ホームルームが終わると、皆は一気に教室から出て行った。 今日は部活していない人は午前だけの日だからね。 「高瀬、ちょっと」 「はい!」 私は先生に呼ばれ、先生の元へ。 「明日から転校生が来るから転校生のサポートを頼む。丁度、高瀬の隣の席なわけだし」 「はい」 確かに左隣、いなかったなぁ。 左隣の人、かわいそうだな。 こんな無愛想な女が隣で。 「優也、部活遅れる!」 「待ってよ、ケンケン!あ、わりっ」 「大丈夫です。こちらもぼんやりとしてしまっていたので・・・」 「って、お前・・・確か、剣道部の」 「神崎です。神崎哲。僕はこれから部活ですので、失礼致します」 「あ、ああ」 そういえば、私以外の生徒会って誰がいるんだろう? その事は謎なままだなぁ。 「愛莉、行くよ?合コンっ」 「う、うん!」 今年も何も変わらない。 私はそう思い込んでいた。
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