第3章 好きなのはどっち?

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「・・・これなら解けるんじゃないかしら?優也でも」 「え?あ、ああ」 「ちゃんと聞いてたの?優也」 「わ、わりぃ!」 「もう!なーにぼけーっとしてるのよ?貴方の為を思って・・・」 「俺の為・・・ねぇ?」 「何よ?」 「べーつに。やっぱり無理してこの高校に入って良かった」 え? 「も、もう!ぼけーっとしてないでさっさと解きなさいよ」 「はいはい」 「うみたそが優也にとられたぁ!」 「貴方がちゃんと優也に教えないからでしょ?」 「むっ・・・」 「優也、間違ってるわよ」 「やっべ。どこ?」 「1問目。もう一度教えるわね」 「サンキュー、うみ。助かるわ」 「うみたそ、たーそ!」 高峯くんは私の髪に触る。 「あら、すんなり解けてるじゃない」 私は気にせず、優也の勉強を見る。 だけど 「うみたそ、スルーしないでよ?」 高峯くんはいきなり私に後ろから抱きつき、言う。 な、な、なっ・・・ 「う、鬱陶しいわ」 私は容赦無く高峯くんの顔面をグーでパンチする。 「ね、猫パンチならぬうみパンチ!い、いてて・・・」 「あ、貴方がいきなり私を・・・」 「ハグくらい普通だよ!」 「アメリカ脳すぎるのよ、貴方は」 「俺にも教えてよ?うみたそ」 「貴方、勉強できるじゃない」 「保健体育はアメリカでやらなかったよ!ね、教えて!まずはうみたそのスリーサイ・・・ぐはぁっ!」 私は高峯くんのお腹を蹴る。 「さ、勉強に戻りましょう」 「うみ、ソウに容赦ねぇな」 もう!高峯くんは!!
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