第3章 好きなのはどっち?

20/75
前へ
/383ページ
次へ
「ただいまー・・・」 「ちょっと!貴方、そろそろうみが・・・」 「久方振りのりくたんだよー?もう耐えられない!」 え・・・ 私はリビングのドアを開ける。 すると 私の目に飛び込んできたのは熱いキスを交わす両親の姿。 「お、お父さん・・・?」 あれ、イタリアに二週間出張って・・・ 私の顔は一気に熱くなる。 両親のキスシーンなんて滅多に見ないから。 「う、うみ!おかえりなさい!」 「ぐはぁっ!り、りくたん!」 私に気付くと、母は思いっきり父を突き飛ばした。 「だから、言ったでしょ?うみが帰る時間だって」 「だってぇ、またイタリア戻らなきゃいけないんだよ?りくたんと離れると思うと・・・」 「お父さん、出張中よね?」 「ホームシックに耐えられなくてプライベートジェットで一時帰国しちゃった!明日また向こうに戻らなきゃ」 「お父さん、二週間は耐えよう?ね?」 「う、うみ!」 「お母さん?」 「さ、さっきのは忘れてね?ね?」 お母さんはかなり顔を赤らめながら言う。 お母さん、照れてる。 可愛いわね。 やっぱりまだお父さんと恋愛してるのね。 「りくたん、イチャイチャの続きをしよう!」 「ぶっ飛ばされたいんですか?貴方」 「うわぁぁん!」 まさかあんなドキドキ体験を我が家でするなんて。 びっくりしたわ。 「キス・・・か」 した事ない私にはどんな感じか全く想像がつかない。 だけど 憧れる気持ちが無いわけではない。 キス・・・か。 いつか、私も誰かと・・・するのかしら?
/383ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加