第1章 不機嫌なプリンセス

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ーー翌日。 「今日、風強いわね・・・」 やたらと強い風が吹く中、私は今日も学校へと向かう。 これじゃあ、スカート捲れちゃう・・・。 だけど 「きゃっ!」 「黒猫パンツ!」 ・・・へ? 私は振り向く。 「君、意外と可愛らしいパンツ履いてるんだね」 な、な、なっ・・・ パーマでふわっとさせた黒い髪に黒縁の眼鏡、細身の身体、子犬のように大きく潤んだ瞳。 私と同じ学校の制服を着た男子がにやにや笑いながら言った。 「み、見たんですか!?」 「仕方ないよ。風が吹いて捲れちゃったんだし」 「だからってお、大きな声でく、黒猫・・・」 「そうだ。俺、今日学校初めて行くんだよねー。連れて行って貰えると・・・」 「貴方みたいなど変態野郎とは一緒に歩きたくもありません!」 「あっ!待ってよぉ!」 私は走った。 な、何なの!? あの男! デリカシー無さすぎ!! あんな男にパンツ見られるなんて最悪ーっ!! 「おい、いつにも増して高瀬さんが怖い顔してるぞ」 「やべぇ」 あんな男、2度と関わりたくない!! クラスに着いても、私の気は休まらない。 「ほら、お前らさっさと席つけー!」 先生が来ると、皆は席につく。 だめ、切り替えよう。 転校生のサポートをするように先生に言われているんだった。
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