第四章

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 ともかく土竜は結月の『家族』である。例え、『師匠』が居なくなってしまっても。 『で、どうだ? 例の色男とは上手くやっているか?』 「……たぶん」 『なんだ。随分と歯切れが悪いな? 抱かれたか?』 「ちっがうから!」  キスはされたけど。といっても、唇ではなく頬だ。  どうせ言った所で茶化す材料を与えるだけだと飲み込んで、結月は眉を顰めた。 「なんなの、アイツ。人の話しは聞かないし、行動も思考もわけわかんない」 『ほう? どうやら仲良くやってるみたいだな』 「どこにその判断に辿り着く要素があった?」 『わけがわからない、ってコトは、理解しようとしてるってコトだろ? 他人に興味を示さねーお前が、随分な進歩じゃねーか』  感慨深そうな声に、結月は思わず「うっ」と詰まった。  確かに。今までは理解の及ばない相手がいても、それが客にしろターゲットにしろ、「そういうモノだ」と一蹴して特に気に病んだ覚えはない。  それが今回はどうした。 「っ、でもそれは、一ヶ月の住み込み専属とかいう特殊な環境があって、顔つき合わせて過ごす時間が多いからってだけで」 『まぁ、そういうコトにしといてやるか』
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