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「暑い…」 扇風機の風を浴びながら五十嵐修吾は机に伏せていた。 「もっとしゃきんとせんかい。ほれあと20秒じゃ」 体を起こして盤上を見る。形勢不利。既に詰み一歩手前に追い詰められている。 (この状況から逆転って…) 駒をどこへ動かしたものかと考えながら目線を上げると半透明の爺さんがニコニコ笑っている。 四月から始まった爺さん幽霊との同棲生活。 修吾は少しため息を吐きながら盤上の駒を動かした。
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