なんのことはない      

31/35
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
不浄流しの夜 今夜も華やか祭りが終わり 不浄流しの雨が降る 皆で濡れては流されて おやしろさまを清浄に 胸に残るは狐面 赤い眼差し忘られぬ ご不浄ご不浄雨濡れて 不埒な思いも流される 来年来年また来年 命消えずにいたのなら 狐面にもまた会える 密かに結んだ約束で 赤い眼差し赤い口 きりりと噛んで 秘密の(まなこ) どこに帰るか草羣の 匂いを仄かに香らせて 狐の面は闇に消え 跡に残った約束の 赤い印を隠すよに 不浄の雨に濡れましょう
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!