嫌いになれない幼馴染

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 徹大に彼女がいてもいい。  幼馴染として徹大の側にずっといたい。 ――てっちゃん、俺のこと好きじゃなくてもいいから、側にいさせてよ。             「てっちゃん……」  瑞樹は自分の声で目が醒めた。隣にいたはずの潤は既にいない。ベランダの窓から外を見ると、既に薄暗い。思いの外熟睡していたことに驚く。 ――中学生の頃の夢、見ちゃったなあ。  徹大を好きと気付いた中学時代。持て余す思いをどうしていいか分からず、辛かった事を思い出したのは、今また辛い思いをしているからだろうか。 「起きよう……」  瑞樹は布団を簡単に整えて、寝室を出た。リビングに行くと、潤がスマホで誰かと話している。瑞樹が声をかけようとすると、潤は人差し指を口元にあてた。どうやら声を出すなと言いたいらしい潤の意図を察して、瑞樹は口を噤んだ。 「はあ? 徹大、おまえ、何言ってんの?」  電話の相手は徹大だった。
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