嫌いになれない幼馴染

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 瑞樹が立ち上がろうとすると、潤はそれを制して自ら冷蔵庫に向かう。炭酸水を取って、ソファに戻ってきた。  瑞樹は潤をまじまじと見る。  潤はかなりの男前だ。徹大が華やかなイメージなのに対して、潤は質実剛健という感じ。短く刈り上げた黒髪。凛々しい顔。浅黒い肌。鍛え上げている体。  風呂上がりで暑いのか、下はスウェットのズボン、上はTシャツのまま。Tシャツが筋肉で盛り上がっていて、相当カッコいい。瑞樹とは正反対の男らしい外見は、羨ましい限りだ。こんなにカッコいいのに。 「潤くん、なんで今彼女いないの?」  潤は徹大に負けない位モテる。高校の時は、徹大の次にモテていたのを覚えている。頻繁に女子から告白されていたのを瑞樹は何度も目撃した。 「なんでって、こないだ別れたからな」  真面目な潤は、女性にも誠実だ。二股や浮気などあり得ない。しかし、昔から不思議な程長続きしない。 「また振られたの?」 「ああ」 「今回はどれ位付き合った?」 「三ヶ月だったかな」 「いつもそれ位で潤くん振られるよね。ねえ、どうして?」
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