嫌いになれない幼馴染

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「私のこと、本当に好きなのか分からないとは毎回言われる」 「えっ、潤くん、好きじゃないのに付き合ってるの?」 「付き合ったら好きになるかもしれないじゃないか」  瑞樹はそういう考え方もあるのかと初めて知った。 「じゃあさ、潤くんから好きになって付き合った人は?」 「いない」 「そうなんだ……」  すぐ別れる潤だが、彼女不在のインターバルは長くはない。と言うことは今でも定期的に告白されているということだ。 「すごいね、潤くん。相変わらずモテるんだねぇ」  尊敬の眼差しを向ける瑞樹だが、潤は特に照れる訳こともなく淡々としている。 「でも俺は瑞樹がすごいと思う」 「なんで?」 「ずっと徹大を好きだろ?」  恋に気付いたのはいつだろうか。はっきりとは覚えていないが、もう十年は徹大に恋している。 「だけど、俺がいくらてっちゃんを好きでも、俺、男だもん。てっちゃんの恋愛対象になんて、絶対ならないし」
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