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《第9話 恋の病》
突然の爆弾発言。
瑞樹は「嘘……」と呟く。
「だって瑞樹、分かりやすすぎる。気持ち、ダダ漏れだったから」
徹大は瑞樹の反応が面白いのか、少し顔がニヤついている。こういう所が瑞樹を馬鹿にしているというのに、嫌いになれない瑞樹は本当に馬鹿である。
「高校の時、一度、キスしただろう?」
瑞樹は放心しながらも頷く。
「俺が地元を離れるって聞いたおまえが泣いて、その姿がすげぇ可愛いかったから、キスしたんだ」
「あれは、泣いてるのを止めさせる、ショック療法って、言ってたくせに」
「まあ、それもあるけど」
徹大は悪びれずに認める。
「でも瑞樹をずっと可愛いと思っていたのは本当だよ」
「嘘」
「だから嘘じゃないって。可愛いって思ってたからキスするんだ」
「俺なんか、てっちゃんの、性欲処理係だもん」
「ば、馬鹿っ! んな訳あるかっ。好きじゃなきゃ男にあんなことするかよっ」
――え?
「てっちゃん、今、なんて?」
「は?」
「今、好きって、言った? 俺のこと」
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