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「俺、馬鹿だ。てっちゃん、信じられないのに、こんなに、好きなんて」
「まだ信じられない?」
「だって」
「潤に甘えないで、俺に甘えろ。どんな我儘も聞いてやるから」
「本当?」
「ああ」
徹大の甘い声と微笑み。
――てっちゃん、好き。
「俺も好きだよ、瑞樹」
徹大のカッコいい顔が近付いてきて、形のいい唇が瑞樹のそれを啄む。
「て、てっちゃん」
「瑞樹、漏れてる、心の声」
大きな手が瑞樹の後頭部を持ち、反対の手は腰に回る。瑞樹は徹大に抱き締められている。
「可愛いな、瑞樹」
「う、嘘ばっかり」
「おまえ、気付いてないだろうけど、相当可愛いからな」
瑞樹は自分の顔が童顔な自覚はある。それに全く男らしくない顔立ちであることも。
「男が可愛いくても、意味ないもん」
「俺は瑞樹はずっと可愛いって思ってるよ」
「じゃあ、なんで、俺のこと」
――好きになってくれなかったの?
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