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そんな徹大を好きで堪らないという眼差しで見つめ続ける瑞樹が、可愛くない訳がない。
徹大が女といちゃつくと悲しそうな顔すると、たまらなく唆られる。
そんな瑞樹を見たくて女を取っ替え引っ替えしてるなんて事が、瑞樹にばれたら殺されるだろう。
要は徹大は瑞樹を弄んでいるのだ。
「しゃくに障るけど、連絡すっか」
徹大はスマホを手にし、親友の連絡先をタップする。
「やっとかけてきたか」
数回鳴ったコールの後、親友は開口一番こう言い放つ。
「何がだよ」
「随分余裕じゃないか、徹大」
潤は昔から何故か瑞樹贔屓だ。
懐いているからそうなるのも頷けるが、少し度が過ぎている気がしないでもない。
「瑞樹、いるんだろ?」
「だったら?」
いきなり喧嘩腰だ。
「うちに帰るように言ってくれ」
「徹大、女、連れ込んだってな」
瑞樹が早速潤に相談していることに徹大は腹が立つ。
「おまえには関係ねぇだろ」
「俺にはな。だが、瑞樹のためにそれだけはしないって、おまえ言ってたよな。それはもう反故にしたってことか」
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