鈍感な幼馴染

18/62
前へ
/260ページ
次へ
 もう映画は既にBGMと化していて、誰も見ていない。  徹大が瑞樹にキスし続ける水音。瑞樹自身を扱く粘着質な音。瑞樹の切ない喘ぎ声。  これらが夜中のリビングに響き渡る。 「やだ、やだ、てっちゃん、やめて……」 「気持ちいいって言えよ、瑞樹」 「そんな、恥ずかしい……」  快楽を認めようとしない瑞樹に徹大は腹が立つ。 「じゃあもっと恥ずかしいこと、してやる」 「え、なに」  ちゅぽんと音をたて、唇を離す。  瑞樹の唇が唾液で濡れそぼって色っぽい。  徹大は瑞樹の足元にしゃがみ込み、瑞樹自身をいきなり口に含んだ。 「えっ! やだ、やだ、てっちゃん、どうしたの、やめてよっ」  いきなりの口淫に、瑞樹がパニックになる。 「うるさい、恥ずかしいんだろう? だったら黙っとけ」  徹大に叱られ、瑞樹は両手で口を塞ぐ。  徹大は過去に男にこんな行為を施した事は一度もない。  男のモノを咥えるのは初めてだが、瑞樹のだからか意外と平気だ。  いつも自分が女にやってもらっているから、やり方も気持ちいい箇所も十分分かっている。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1649人が本棚に入れています
本棚に追加