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潤から連絡があり、彼の家を訪ねたのはもう夕方になろうかという時間だ。
インターホンは鳴らすなと言われ、玄関ドア前に来たことをメールで知らせる。
程なくして静かにドアが内側から開いた。
潤は唇に人差し指を当て、喋るなとジェスチャーで示す。
そのまま外廊下に出てきた潤は、音を立てないようにドアを閉めた。
「瑞樹、眠りが浅いだろ?」
確かに瑞樹はどんなに疲れていても、熟睡はしない。
それをこの親友が既に知っていることに、徹大は嫉妬する。
「一肌脱ぐって、潤、何してくれるんだよ」
「偉そうだな、まあ、いいけど。俺が瑞樹の本当の気持ちを確かめてやるから、おまえは隠れて見とけ」
「隠れてって」
「リビングのクローゼットを整理して、おまえが入る位のスペースは開けた。そこで隠れて俺と瑞樹のやり取りを聞いてろ」
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