アタックNo.1?

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その理由は俺にも良くは分からなかった。 ーーくそっ! 何故、俺には彼女が出来ないんだーー!!!? 誰か俺の童貞を貰ってくれ~!!ーー そんな心の叫びが、俺の中を木霊する。 だが、俺が苦しさと悲しみから砂浜の砂地を涙目になりながら、両手を叩き付けていた最中、不意に加山が俺の後ろに立ちながら声をかけてきた。 「あのな~縁無氏……。 幾ら彼女が居ないからってビーチであんな事を叫んだら駄目だぞ?」 (あんな事……? 叫んだ……? 一体、何の事を言ってるんだ加山のヤツ?) 俺は加山の言っている言葉の意味が分からず、首をかしげる。 そんな俺の様子を見据えて、加山はマジかよ?と溜息混じりに言った。 「お前、さっき、何で俺には彼女が出来ないんだ~!?って叫んでたんだぞ?」 「え……!? マジで?」 「あぁ…後、童貞を……。」 「あ!? ス、ストップ、ストップ! 分かった! もう分かったから。 しかし俺そんな事も言ってたんだな!?? まいったな~本当に?」 俺は必死に加山の言葉を止めた。 「そうか…まぁ、俺も正直こんな事、口走りたくなかたからな。 何にしても、程々にな?」 「あぁ、分かってるよ!」 俺は辛うじて微笑みながら、加山に右手を振りながらヤツと別れる。 だが、その直後、急激に俺の体は脱力した。 当然である。 心の内なる思いが声に出ていた事が俺にとって、とてつもなくショックな事だったのだから。 しかし、それにしても……。 (な……何て事だ…? 俺が心の内なる苦痛を、ま、まさか声に出していたなんて!?) これは致命的な汚点であると同時に、致命的な大発見と言える事柄であった。 何せ、この事が分かった御加減で、知らない内に女性達が俺から一定の距離を取っていたとか、俺が社内の女性達からセクハラ大使と影口を、叩かれている理由が今、明確になったのだから。 (そうか……ならば、あの時の「◯◯◯ちゃんとスレ違った時に思った◯◯◯ちゃん、いい尻してるな是非、◯◯◯ちゃんとセック◯したいぜ!」とか、 「あぁ、ドラ◯ンボー◯があったら酒池肉林やハーレムの夢を叶えたい!」とか、「ぉぉ! パイでっけー! 俺の子供を孕ませてやるぜ!!」とか……あの妄想の数々を俺は、言葉にしていたと言うのかぁぁぁぁぁぁ!!?)
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