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彼女は所謂、健康系美女と表現すべき容姿の持ち主だった 。
だが、次の瞬間、俺の脳裏をある疑問が過る。
(しかし何で、こんなに美人なのに彼氏居ないんだろう?)
それは至極当然の疑問であった。
(まさか、同性愛者か?)
俺は一瞬、そんな事を考える。
「なぁ、君のお姉さん、もしかして女の人が好きだったりする?」
「え? そんな事無いよ?」
「そうなんだ……?」
妹さんが嘘を言っているようには思えない。
だが、女性同士でビーチバレーをしてる姿がある以上、その可能性は否定は出来まい。
ならば……。
(確認あるのみだ!)
「なぁ、お嬢ちゃん、お兄さんにお姉ちゃんの事を紹介してくれないかな?」
「うん、いいよ?」
そう言って少女は姉の元へと駆け出した。
そして……余りにも順調に事は運んでいったのである。
ーーーーーーーー
「成る程……奏【かな】。 つまり彼は、彼女居ない歴二十七年の童貞で、それを人様に告知したがる自虐的思考の持ち主なのだな?
そして、お前を見て興奮していたと?」
「うん、そうだよお姉ちゃん。」
「えっ…………?
な……??
ちょ……ちょっと、待ってくれ!?
それは誤解だ! 俺は決して君の妹さんに欲情していた訳ではない!」
「え? だってさっき私の事、ストライクゾーンとかなんとか?」
「そ……それはきっと奏ちゃんの聞き違いだよ!
うん、きっとそうだ!」
そんな俺の言葉に奏ちゃんは「うーん、そうなのかな~?」と首を傾げた。
だが、その直後である。
奏ちゃんのお姉さんである褐色の美女が、不意に言った。
「成る程、つまり君は妹みたいな年齢層をこよなく愛するド変態であるかどうかはともあれ、少なくとも自分の黙秘したい筈の秘密を人様に暴露して、精神的快楽を得て喜びを感じている、ド変態である事は確かなのだな?」
不意に発せられた彼女の一言。
俺はその言葉が発せられた直後、慌てて首を振り、その言葉を即座に否定した。
「確かに思っている事が口に出てしまう事はあるが、決して意図的なモノではなく無意識に口走ってしまってるだけなんだ!」
俺は必死に弁解した。
だが、その直後ーー。
「ねぇ、何かあったの八尋【やひろ】?
ん……誰? そこの冴えない彼は?」
不意に、奏ちゃんのお姉さんとビーチバレーをしていた女性が俺達の会話に割り込んでくる。
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