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「えーと、奏と遊んでくれていた人みたいなんだけど、知らない人。」
「そっか、なら子供好きの優しいお兄さんか、或いはロリコン趣味の変態さんって事ね?」
「ちょッ!? 何で変態路線な訳!!?」
俺は即座に反論した。
しかし、それに対して返ってきた言葉はと言えば……。
「だって、お兄さん、なんかモテなそうなんだもん?」
だったのだから正直、堪ったものではない。
だがしかし、理論的に反論の要素は皆無であろうとも俺は、その一方的な物言いに怒りと憤りの力を借りて言葉を返す。
「人を見た目で判断してはいけないよ、そこのお姉さん?
確かにモテない事は認めるが、俺は決してロリコン等の変態の類いではない!」
俺は臆する事なく言い切った。
(くぅ~~堂々としてカッコいいぜ俺!)
自らが放った、そんな言葉に俺は思わずウットリとする。
恐らく、俺が女だったら、そんな堂々とした俺を見て一目惚れしたに違いあるまい。
だが……。
そんな俺に意外な一言が放たれる。
「ふぅ……分かってないわね…。
それ自覚症状が無いだけでしょ?
知ってるかな? 童貞拗らせた男性の約八割が絶望と諦めから、歪んだ性癖に走るんだそうよ?
つまり、あなたも気付かない内にーー。」
ーーロリコンにーー
「ぐはっ……!?
ち……違う……俺はロリコンじゃ……?」
だが果たして、そうだろうかと一瞬、考える。
確かに一瞬、奏ちゃんにドキッとしたのは事実。
ならば、やはり俺は……。
「違う……俺はロリコンじゃなぁぁぁいぃぃぃぃ!!!?」
俺は自分の脳裏に過った良からぬ思いを受け入れまいと、必死に否定する。
だが……。
ーーふふふ、そう……俺は幼女が好きなロリコン変態野郎なんたぜ!ーー
不意に俺の脳裏に、そんな声が響き渡り俺は思わず砂浜の砂へと膝をつく。
(違う! 俺は幼女より成人女性が好きなんだ!
決して変態ロリコン野郎ではない!)
しかし、必死に抵抗を続ける俺に追い詰めるがの如く、更なる声が俺の脳裏に響き渡る。
ーー嘘はいけないな?
お前は幼女にグッときた筈だ。
本当は幼女が好きなんだろ?
さっさと素直になって楽になろうぜ?ーー
「違う……違う、ちっがーうぅぅぅ!!!」
俺は自分の脳裏を駆け巡る、邪悪な声を振り払う為に、砂浜の砂へと頭を打ち付けた。
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