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「あー・・・・・・。
まぁ、確かにそんな事もあったけど、それはそれでしょ?」
「やっぱり事の本質が分かって無いみたいだな水樹?
結局、見た目では相手の本質は分からないと言う事だ。
つまり水樹、私が求めているのは外見よりも中身と言う事だよ。」
「まぁ、あんたがそれでいいなら私は別に、それでもいいんだけどね…?」
(…………………………何、この流れ?
何か、もしかして俺にもまだ脈があるって事か??)
半信半疑であったが、俺は取り敢えず二人の会話に割り込んでみる事にした。
「あの~八尋さん……?
もしですよ、もし俺がお付き合いしてくださいって言ったら、うけてもらえるのかな?」
「君に、その気があるのなら付き合う事は吝かではない。
だが……」
俺は彼女の「やぶさかではない」との言葉を聞いた瞬間、色々なモノが弾け飛んだ。
そして気が付けば俺はーー。
「八尋しゃん、俺とお付き合いしてつかあさいーーー!!」
ーーと八尋さんに向けて、飛び掛かっていたのである。
だが、そんな俺に彼女はニッコリと微笑む。
そして直後、俺の腹部と右頬に強烈な衝撃が走った。
「ぐはっぁーー!?」
俺の視界が宙へと投げ出され、背中へと第二の衝撃が走る。
その直後、俺の視界が一瞬、暗がりで電気を消したかの様に真っ暗になった。
(一体何が……?)
俺は痛みを堪えながら、目を開ける。
眩しい光ーー。
そして口内に広がる鉄臭い、馴染みのある味と臭い。
「す、すまない……大丈夫か?」
目を開けた直後、八尋さんが俺の顔を覗き込みながら言った。
「あ……ぁぁ、何とか?
でも一体、な…にが?」
「私が反射的に殴ってしまったため、その結果、君がぶっ飛んで、こうしている訳だ。
でも、これで分かっただろう…私に付き合っている相手が居ない理由が?」
「ど…どう言う事……?」
「つまりだな、本気の熱を感じると格闘技に精通してるせいか私は、反射的に相手をボコボコにしてしまうのだよ。
だから君も怪我をしたくなかったら……。」
「どうしたら付き合ってもらえますか!?」
「はっ……!??
今の聞いてなかったのか?
私は反射的に暴力を振るってしまう危険な人間なのだぞ!?」
「聞いたよ。
でも、それは八尋さんを諦める理由にはならない!
だから、どうしたら俺とお付き合いして頂けマスか!?」
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