報告一 ワイルド刑事と童貞刑事

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「……ぶっちゃけちゃうと、小野寺さん、アレ大きいし……六十分で二回も三回もシてくから、本番の方が楽だなって思う時があるんだよねぇ」  加恋は丸みを帯びた顎を擦りながら、イタズラっぽく笑って桂奈を見た。  途端に、桂奈の顔が歪む。同僚のオヤジの――想像してしまいそうで、吐き気がこみ上げた。 「加恋ちゃん、聞きたくないから……」  大輔『絡み』なら、いくらでも好き勝手に妄想するくせに、桂奈はそう言い捨てた。  加恋が嬉しそうに明るく笑う。  それから桂奈は、加恋を連れてコンビニに入った。わずかな礼として、コンビニスイーツをいくつかご馳走し、店の前で加恋と別れる。 「さて……」  桂奈は腕時計を見た。夕方、というにはまだ少し早い時間だった。  井上が担当している事件を調べたかったので、桂奈はいったん荒間署に戻ることにした。
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