報告三 ワイルド刑事と童貞刑事と美貌の上司

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 外観がボロボロのソープ店は、内装はもっとやばかった。  突如現れた、メガネをかけた野暮ったい美少年に助けを求められ、桂奈たち異色の警官トリオは薄汚いソープ店に突入した。  そこは、昭和の時代からまったく変わらない、古臭いソープ店だった。  北荒間でも最古参のソープ――ストロベリー・バス。  いつも、還暦をとっくに超えた老年ボーイ兼店長が立つ狭い扉を潜ると、狭くて暗い待合室があった。ヤニで茶色く染まった壁紙も、ところどころ破れた黒い革のソファーも、とにかくボロく、古く、汚い。  桂奈は何度かこの店を訪ねたことがあるが、それでもいつも顔をしかめてしまう。 (き、きったなぁ~)  初めての二人――穂積と井上も、同じ顔だったろう。後ろにいる二人を確認せずとも、桂奈にはわかった。 「……あんた、荒間署の!」  汚さにウンザリした桂奈の顔が、さらに険しくなる。  ボロボロのソファーに座った、口髭を生やした黒服の老齢店長。その彼の前に、ボクサーパンツだけの若い男が床に正座させられていたのだ。 「お巡りさん! あいつが俺の友達です!」  桂奈たちに助けを求めた、メガネの美少年が叫ぶ。 「ナオヤ!? なんでお前、戻ってきたんだよ!」 「なんでって、シュウイチのこと、置いてけるわけないだろ!」  メガネの美少年――ナオヤが、パンツ一丁のシュウイチに駆け寄り、抱きつく。 (あら?)  桂奈がときめいたのは言うまでもない。  ナオヤは雰囲気はダサいが、顔立ちは可憐であるし、パン一のシュウイチも顔こそ平凡だが、その体躯はなにかスポーツをしているのか、正座していても逞しかった。 (……アリよ)  桂奈は顔には一切出さず、不埒なことを考える。  ソーッと後ろの穂積を窺う。ナオヤは華奢すぎて穂積のタイプではなさそうだが、シュウイチの方はどうなのだろう、と気になってしまう。  シュウイチはいかにも体育会系の、童貞臭があるが――。
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