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男たちを急き立て、ソープ店から外の通りに出ると、前のM性感の看板に灯りがついていた。
「……あの……」
店を出たところで、メガネの美少年――ナオヤが桂奈たちを振り返った。
「今日は、本当にありがとうございました!」
そう言って、ナオヤは小さな頭をペコリと下げた。隣のシュウイチが、慌ててナオヤを同じように頭を下げる。
「今さら確認だけど、君たち……十八歳以上ですよね?」
桂奈は今になって、肝心なことを確認していなかったことを思い出した。
桂奈の確認に、ナオヤとシュウイチは大きく頷き、ナオヤが答える。
「はい、俺たち二人とも二十歳で……大学生です」
(大学生……)
よい年頃だ、と桂奈はオヤジ臭いことを思った。
「うんうん、じゃあ風俗に来るなとは言いませんけど、もうちょっと事前に下調べしてから来なね? 北荒間でソープなんて、誰も行かないんだから。北荒間にもう一軒あるソープも、ここと同じような店だから……ソープ行きたいなら、別のとこ行った方がいいですよ?」
純朴な大学生たちを哀れに思った桂奈は、彼らにアドバイスした。
すると、ナオヤが驚いてシュウイチを振り返った。
「……そうなの? シュウイチ」
「え?! ああ、えっと……」
桂奈は眉をひそめた。どうも、彼らには行き違いがあるようだ。
「あの……ナオヤ、くん? 君は彼に、ソープに行こうって北荒間に連れて来られたの?」
困っているシュウイチを指差し、訊ねる。
「はい。だってシュウイチは、部内で一番風俗詳しいって有名で……」
「ナオヤ! 変なこと、警察の人の前で言うなよ!」
「だ、だって……シュウイチが風俗詳しいって言うから、風俗で童貞捨てたいってシュウイチに相談したのに!」
ブフッ。思わず、桂奈の鼻息が荒くなった。
井上が、怪訝な顔で桂奈を見てきたので、なんとか動揺を隠して涼しい顔を作る。
しかし、うら若き大学生たちは、桂奈の心を乱し続けた。
ナオヤがシュウイチの腕を掴み、強く揺する。
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