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井上は、桂奈の緊張した様子に気づかない。
「意外といい組み合わせだと思うんだよ、小野寺と穂積管理官と……DDくん。この前一緒に仕事して、あの三人が上手く噛み合うと、面白いことになるなって思ったんだよな」
桂奈はまたも井上に感心した。
井上は実に、勘がいい。あの穂積が、なんだかんだと言いながら、井上を重宝している理由を見た気がした。
(そう! やっぱり……三人……がいいのよね!)
桂奈は、井上の見えないところで、拳を握った。
男ばかりの警察で働いてはいるが、見た目のよい男が三人も揃うことは、そうはない。
しかもその男たちは、桂奈の――腐警の――夢を叶えてくれたのだ。
ドキッ! 男だらけの三角関係!――という夢を。
桂奈はムフフとニヤけ、駅前ののどかな商店街で、危険な妄想に陥った。
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