報告三 ワイルド刑事と童貞刑事と美貌の上司

16/21

137人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
 北荒間の最奥にあるラブホテル「M」。  荒間署生活安全課保安係御用達のそのホテルでは、なんでもアリだ。  保安係の捜査員が男同士で入ることも可能であれば、男が三人、でも入室できる。  一向に修繕工事がされない古いラブホテルには、今では禁止されている鏡張りの部屋もある。  真ん中に大きいだけの安物のベッドが置かれ、そのベッドの頭を上にして左の壁面に、大きな鏡が張られていた。  薄汚れた鏡には、裸の男が三人、映りこんでいる。  男たちの熱い吐息が、室内の湿度を上げる。 「……ん、大輔くん、上手……」  ベッドに横たわり、はしたなく両足を開いた穂積が、自分を組み敷く大輔を蕩けた目で見つめる。 「あっ、そこ、イイ……」 「ここ、ですか?」  大輔は、穂積の中に入れた指を、彼に求められるまま動かした。穂積がイイと言った箇所を、中指の腹で優しく撫でる。  ここ、がいいのは大輔もよく知っている。穂積の引き締まった細い腰が、揺れる。  きれいな人が、自分の拙い愛撫で悶えている。  大輔は、憧れの人を手中に収めた喜びに震えた。自身の若い幹はすでに張り詰め、天を仰いでいた。 「おい、もうパンパンじゃねぇか」 「あ! こ、晃司さん!」  大輔の背後から、厚い肉体が覆いかぶさる。  晃司が、後ろから大輔を抱きしめ、早くも透明な液を零す幹をやんわりと握った。 「ダメッ、やめ……!」  敏感な耳たぶを同時に甘噛みされ、大輔の穂積を愛撫する手が止まる。  穂積が、ムッと顔を歪めた。 「先輩、邪魔しないで下さいよ。今夜は記念すべき、大輔くんの童貞卒業の夜、なんですから」 「しょうがねぇだろ、大輔が一生懸命シてる顔が、可愛いからさ」 「あ、やだやだ! 晃司さん、手、動かさないで……」  晃司が何回か扱いただけで、大輔は達してしまいそうだった。下腹に力を入れ、なんとか堪える。  その必死な表情が、年上の男たちを大いに煽っているとはつゆ知らず――。 「もう、先輩いい加減にしてください! 一緒にするのは譲歩してあげたんですから、邪魔だけはしないでくださいよ!」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加