夏なんてなくなればいいのに

おっとどっと夏だぜ

その日の俺は、ニュースなど見ずに、ハチャトゥリアンの『剣の舞』を聴きながら支度をしていたので、火災の事など知るよしもなかった。

そして、いつものように、愛車ＡＺエレクトリックマテリアルズマニュファクチャリング号に乗って出勤したのである。

自宅も職場も西新宿にあるので、満員電車に乗ってる奴らを、鼻で笑いながら俺はペダルをこいだ。

ところが、段差を走った時、タイヤに違和感があるのに気づいた。

空気があまい…

どこかで、空気を入れる必要がある。

だが、こんな朝っぱらから営業してる自転車店などない。

しょうがない、いつもの所で空気入れを借りるか…

年中無休24時間、空気入れが借りれる所といえば、もちろん警察署である。