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不思議に思いながらも一定の距離を保って後を追っていたのだが……いきなり黒瀬凜太朗が後ろを振り返ったので、俺は焦ってそのまま彼にぶつかってしまった。
―――ヤバイ、と思いながらもこれはチャンスと思い……少し体勢を崩した黒瀬凜太朗を覗き込んだ。
「…あの、大丈夫ですか?」
「あっ、……だ、大丈夫ですから!気にしないで下さいっ!」
―――あ、意外と声が高い。
そんな発見をして、頭にインプットしていたら……
「じゃあっ……これでっ…!」
逃げようとする黒瀬凜太朗の腕をガシッと掴んでいた。
「まっ、待って下さい!」
「……な、何ですか?」
少し赤くなった頬が……何となく可愛い。
俺に腕を掴まれて、相当焦っているようだ。
「あの…連絡先、教えて貰えませんか?」
「……はい?」
めっちゃキョトンとされたんですけど……。
「連絡先ですよ。……ダメですか?」
「……え、何でですか?」
―――自分でも分かった。……俺、今かなり怪しいヤツだ。
黒瀬凜太朗が目を見開く理由も分かる。
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