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俺は次の日の朝、早速『会いたい』とメールを送った。
返信が返ってきたのは意外にも早く、土曜日なら空いているという内容だった。
その返信を見ながらニヤリと笑い、俺はそのままスマホを閉じて授業を真面目に受けた。
学校が終わり、メールで約束を取り付けた。
その後も何度かメールでのやり取りを繰り返し、いよいよ土曜日となった。
―――ここで、かなり距離を縮めたい……そう思って、俺は結構早めに家を出て待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ場所に着いたのは30分前。
流石に早すぎたのか、黒瀬凜太朗の姿はまだ無い。
―――しかし、5分前になっても彼は来ない。
おかしいな、と感じた。メールでも楽しみにしている感じだったし、遅れないとも言っていた。
何より、彼の性格からして待ち合わせに遅れたりはしないはず……。
10時を過ぎても来ない黒瀬凜太朗に、流石に連絡を入れようとスマホを準備した瞬間……キョロキョロと辺りを見渡す黒瀬凜太朗が目に入った。
「黒瀬さんっ!こっちです!!」
そう言って彼に向かって手を振った。
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