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そう言った俺をキョトンとした様子で見つめ返してくる黒瀬凜太朗。
「……僕、翔君に歳の話、しました?」
そう言われた瞬間……顔が青ざめたのが自分でも分かった。
―――ヤバイ、完璧に墓穴掘った……。しかし、いい言い訳も見つからない。
俺が黙っていると、黒瀬凜太朗がハッと何かに気付いた様子。
「えっ!?僕、老けて見えるってことっ!?」
何とも見当違いな発言に、俺は助けられたと同時に吹き出していた。
「ちっ…違いますよっ!ククッ…俺よりしっかりしてそうだったからです。しかも、私服でしたし。俺はあの日制服着てましたからね。明らかに年上の人だ!って思っただけです。」
「…あ、そうなんですか。」
「ほら!また敬語!俺、高校生なんだから年下なんですってば!」
「……あぁ、ごめん……。」
「分かってもらえればいいです。……それで、黒瀬さんのこと教えてもらえますか?」
すると、黒瀬凜太朗は少し困った表情を見せた。
「僕の事聞いたって……多分面白い事も無いよ?いいの?翔君。」
「いいんですよ。……俺はただ、もっと黒瀬さんを知りたいだけですから。」
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