792人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、黒瀬凛太朗の母親に大金を見せられた時……それは単なる勘違いだということに気付かされた。
母親に連絡を入れると、今すぐ一時報酬を与えたいから会わないかと提案され、俺は喜んでお金を貰いに行った。
「貴方の仕事ぶりは、本当に評価するべきだと思うわ。」
「あっ、ありがとうございます!」
「ということで、これ…受け取ってくれるかしら?」
「有り難く頂戴致します!」
目の前に差し出された封筒を頂き、中を確認させてもらうと……
「えっ!?じゅっ…15万っっ!?」
思っていた以上の額に、俺は思わず声を大きくしてしまっていた。
「えぇ、10万でもいいかしらと思ったんだけど…この間たまたま息子を見かけた時ね、あの子が幸せそうだったの。明らかに。その顔を見て、貴方はちゃんとやってくれてるんだなぁと思ってね。だから、5万はボーナスよ。」
この時、俺は彼に対して何の罪悪感も無かった。
ただ、与えられる報酬に喜ぶ事しかしなかった。
「本当にありがとうございます!」
「これからも頑張って頂戴。…けど、これだけは忘れないで。……あの子は本当に私が嫌いだから、絶対に貴方と繋がっているのがバレちゃダメよ。」
「はい、分かっています。」
最初のコメントを投稿しよう!