第4章

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あんなに待ち焦がれていたお金も……今は嬉しくない。 それよりも、母親が発した言葉の方が今の俺には聞き逃せないものだった。 「……離れる…準備?……ですか?」 「えぇ、そう。もう貴方は十分息子を愛す事を演じてくれたわ。そろそろ息子から離れてもらわないと……今後の息子に支障が出るわ。」 「……。」 「……そうねぇ、後3週間。貴方には3週間お願いするわ。別れてもらう5日前に、また会いましょう。その時にもう一度、息子の様子がどうかとか聞くわ。」 「……あの、そんなの急に言われても……」 「元々そういう約束でしょう?私が指定した期間、貴方には動いてもらう。じゃあ、また会いましょう。」 そう自分だけ言いたい事を告げると、そのまま母親は俺の話も聞かずに颯爽と去って行った。 「……どうすればいいんだよ…。」 ―――最初はそれで良かった。 ……でも、今は違う。 俺は……リンさんが好きなんだ。 リンさんの、心も身体も愛してあげるって……言ったんだ。 ただ……一緒に居たいだけなのに。 俺は、次こそ絶対に言おうと決めた。 ―――お金はもう要らないし、一生かけてもお金は返しますから……リンさんを下さい、と……。
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