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「あ、……あの、リンさん!」
俺が名前を呼ぶと……リンさんは身体をビクッと揺らした。
「……何?」
「俺……リンさんが好きですから。」
俺が今言える事はこれぐらいだから……ねぇ、リンさん…分かってくれますよね?
「……そっか。じゃあ、バイバイ。」
しかし……俺が思った返答ではなくて、俺は焦った。
「えっ……リンさん?」
「ほら、またねって言ってんの。早く出てって。」
そう言われて、無理矢理俺は家から追い出された。
「ちょっ……リンッ……」
バタンッと、強くドアを閉められ……俺は呆然と立ち尽くしてしまった。
―――初めて……ハッキリと拒否された。
―――いつも、『またね。』って言って俺を見送ってくれるのに……今日は『バイバイ』だった。
ねぇ、リンさん……。貴方は、もう俺なんか嫌いになったの?
俺……もう、リンさんから離れられないよ…?
そんな思いを抱えながら、俺はリンさんの母親と会う日の事を考えて、アパートの前から立ち去った。
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