792人が本棚に入れています
本棚に追加
「すみません、遅れてしまって……」
目の前に居る母親に、俺は今日言ってやる。
「いいわよ、さぁ、入りましょうか。」
目の前で、余裕そうな微笑を浮かべる貴女の顔を歪ませてやる。
店員にリンさんの母親はブラックコーヒー、俺はカフェオレを頼み、話はリンさんの話になった。
「…じゃあ、早速だけど……今、息子とはどんな感じなの?」
そう、改めて聞かれて……俺は少し答えに戸惑った。
「あ……はい、仲良くさせてもらっています。」
「そう。でも、そろそろお願いした期間だから。分かってるわよね?」
「でもっ……」
言い返そうとしたが、すぐに彼女によって阻まれた。
「まだ金を取るつもり?もう十分でしょ?そろそろ離れてもらわないと、息子に影響が出るのよ。分かるでしょう?」
「そういう事じゃなくてですねっ……」
「……はぁ、いい?貴方はただ、息子に愛を教えてあげればいいのよ。……元々貴方はそういう役目でしょ?幸せの運び屋さん?」
「…………」
「ほら、今回の分よ。今回でそうね、終わりね。」
―――俺はカフェオレを口に含んで……ゆっくりと息を吸った。
最初のコメントを投稿しよう!