第4章

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「黒瀬さん、俺は貴方の息子さんが好きです。」 「……は?」 自分の声の音量なんて、気にする暇もなかった。 ―――彼をどうすれば手に入れる事が出来るか、ということしか考えられなかった。 「確かに、最初は何も思っていませんでした。お金が貰えることしか考えていませんでした。……でも、今…目の前にお金を出されても何も思わないんです。ただ、彼が好きで好きで……お金は全て返します。だから、彼を……黒瀬凜太朗さんを俺に下さい!!」 そう言って、俺は目の前の母親に頭を下げた。 「……顔を上げて。」 「…………あの、」 「今すぐ帰って。お金はいくらでもあげるわ。だから、今すぐ私の前から消えなさい。」 「…!待って下さい!俺の話を……」 「ふざけないで。男の貴方に息子を渡すもんですか。早く消えて。お金ならここにあるから。」 「だから、俺はお金なんか……」 「いいから帰りなさい!!」 大きな声をあげた母親は周りを気にせず、俺にお金の束を押し付けるとそのまま俺を店から追い出した。 「ちょっ……」 「もう、二度と関わらないで。貴方の会社には何も言わないから。」
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