第4章

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「……無理、しなくていいよ。」 悲しそうな、彼の顔。 俺の瞳に映る、彼の表情は……寂しそうで、初めて彼を見た時と同じ顔だった。 「えっ?な、何がですか?」 「……とぼけないでよ!」 彼の声に、思わずビクッとしてしまい……俺は普通に吃ってしまった。 「……えっ…、あの……」 「……誰に頼まれて、こんな事してるの?」 その瞬間……自分でも血の気が引いていくのが分かった。 「ち、……違っ……」 「…どう?楽しかった?好きでもない、しかも男と付き合ってるフリするなんて。辛かったでしょ?……あ、それとも嘲笑ってた?馬鹿だなって。」 「違いますっ!そんな風に思ってなんか……」 「何の言い訳も聞きたくないよ。……だって、事実として翔君が裏で僕の母親と繋がっていた、っていうのがあるんだもん。……人の心を軽いアルバイト感覚で弄んで、どうだった?感想、聞かせてくれよ。」 「…………っ……」 一気に痛い所を突かれて……俺は泣きそうになっていた。 ―――俺には何も泣く権利なんか無いのに……。
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