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「リン。」
「あ、シュウちゃん。」
「……もう、春だな。」
そう言って、シュウちゃんが桜を見上げた。
「……うん、そうだね。」
―――あれから1年半が経った。
僕は、もう大学4年になり……周りは就活に忙しい。
僕はというと……就職するか、院生になるかまだ悩んでいた。
―――こんな大学4年になってまで、まだ悩んでいるのなんて……きっと僕ぐらいだろう。
でも、シュウちゃんは『ちゃんと悩んで決めろ』と言ってくれたから……、僕は最後まで悩もうと思っている。
そのシュウちゃんは、もう既に就職先も決まっていて……正直、大学には来なくてもいい状況だ。
でも……。
「お前とな、まだ一緒に居てぇからな。」
そう言って笑ったシュウちゃんが……カッコ良く見えて、あ…シュウちゃんは元々イケメンだからそう見えても仕方ないのかも。
「……フフッ…ありがと。シュウちゃん。」
「あ、今日は入学式なんだっけ?」
シュウちゃんがそんな言葉を発しながら、真新しいスーツを身に付けた新入生らしき人達を見つめる。
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