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「……あ、そうなんだ。皆、緊張してるもんね。」
そう言って、緊張しながらもキラキラと輝いている彼等を僕も見つめた。
―――新入生?
僕より……3歳年下。
―――何て、僕は何を考えているのか。
僕は、もう……。
「……ん、…リン?」
「ふえっ…!?あ、ご、ごめん……ボーッとしてた……」
「お前、いつもボーッとしてるよな。」
「いつもって…!そんな、いつもじゃないよ!」
「……それはどうだか。……ん?誰かこっちに来る。」
「……え?」
シュウちゃんが顎で指し示した方を僕も振り返ってみる。
―――スーツを身に纏った男。
まだ顔は見えない。
―――けれど、その男が纏った雰囲気、そしてスタイルは僕がよく知っている人物だった。
僕は……思わず固まっていた。
動かなければならないのに……逃げなければ捕まってしまうのに。
「……リン?知り合いか?」
「……あっ…いや……」
顔がハッキリと見えてくる。
―――あぁ、やっぱり僕が知っている顔だ。
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