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こんなイケメンが?
こんな冴えない、平凡な男子に?
一目惚れなんかする訳ないだろう?
こんな僕でも、この目の前のイケメンが言っていることが冗談だって事が理解出来た。
―――理解出来たからこそ、思わず声を張り上げていたのだ。
「……信じて、くれないんですか?」
すると、目の前のイケメンがあからさまにショボンとした表情を見せてきた。
「あっ…いや、……別にそういう訳じゃ…」
「じゃあ、いいですよね!?ほら、連絡先交換しましょ!」
そう言って、半ば無理矢理に連絡先を交換させられた僕。
連絡先に新たに追加された『翔』という文字……。
「……しょう、君?」
「かける、って読みます。」
「あ、そうなんですか。すみませんっ…!間違えてしまって……」
「気にしないで下さい。よく間違えられますので。……貴方は、黒瀬さんって言うんですね。黒瀬凜太朗さん。」
そう自分の名前を呼ばれただけで……自分の何処にでもある様な名前がキラキラと輝いた様に感じた。
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