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「ごめんっ…!シュウちゃん遅くなって……」
「アイツ誰だ?」
シュウちゃんが凄い形相で僕に近寄って来た。
―――コッワ…………。
「……誰でもいいじゃん。」
「……アイツか?あの時の…」
「もしそうだって言ったら?シュウちゃんはどうするの?……仕返しとか、そんなの考えなくていいんだよ。僕の中で、あの日はもう無いんだ。わざわざ今更掘り返す必要とか無いんだよ?シュウちゃん。」
「でも……」
「フフッ…馬鹿だよね。名前まで偽名使ってたなんてさ。……ね?だからもういいんだよ。過去は過去。現在は現在。今、僕の中に『彼』の存在は無いんだ。」
「……リン…。」
「ほら、もう行かなきゃ!行こっ!」
「……あぁ。」
―――そうだ。『彼』は僕にとって『過去』で、彼にとって『僕』という存在も『過去』なんだ。
それでいいはずなんだ、いいはずなのに…………
「あ、また会いましたね!黒瀬さん!」
―――何で目の前にいる?いつまで君は僕を過去に縛り付けるつもりなの?
「……わざとなの?」
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