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「ありがとう。……そんな、身構えなくてもいいのに。あ、マスター、俺いつものね。」
「はいよー。」
「……あ、いや…ただカッコ良すぎて……ちょっと免疫が無いもので……」
「ふははっ…嬉しいな。そんな事言ってもらえて。こんな、可愛い子に言われるなんてさ。」
―――はい?え?いきなり口説いた?この人、僕に向かって口説いた?
「え……あの、僕…おと、男なんですけど……」
「知ってるよ。でも、その辺の女より普通に君の方が可愛いよ。」
「……あの、茶化すんなら僕違う席行きますけど…」
そう言って立ちかけた瞬間、そのイケメンさんに腕を掴まれた。
「ごめんごめん、でも…言っておくけど本心だからね?可愛い人に可愛いって言うのは失礼にあたるのかな?」
「……いや、女の人なら喜ぶんじゃないですか?少なくとも僕は嬉しくないです。」
「そっか……残念だな、それは。でも俺さ、君と仲良くしたいから……名前、教えてよ。」
―――何だか、正統派なイケメン顔の癖に……チャラいな。
僕は、あんまりいい印象を持てなかった。
「……黒瀬です。」
「え、名前は?」
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