第5章

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「ありがとう。……そんな、身構えなくてもいいのに。あ、マスター、俺いつものね。」 「はいよー。」 「……あ、いや…ただカッコ良すぎて……ちょっと免疫が無いもので……」 「ふははっ…嬉しいな。そんな事言ってもらえて。こんな、可愛い子に言われるなんてさ。」 ―――はい?え?いきなり口説いた?この人、僕に向かって口説いた? 「え……あの、僕…おと、男なんですけど……」 「知ってるよ。でも、その辺の女より普通に君の方が可愛いよ。」 「……あの、茶化すんなら僕違う席行きますけど…」 そう言って立ちかけた瞬間、そのイケメンさんに腕を掴まれた。 「ごめんごめん、でも…言っておくけど本心だからね?可愛い人に可愛いって言うのは失礼にあたるのかな?」 「……いや、女の人なら喜ぶんじゃないですか?少なくとも僕は嬉しくないです。」 「そっか……残念だな、それは。でも俺さ、君と仲良くしたいから……名前、教えてよ。」 ―――何だか、正統派なイケメン顔の癖に……チャラいな。 僕は、あんまりいい印象を持てなかった。 「……黒瀬です。」 「え、名前は?」
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