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「……名前を教える義理は、初対面の貴方にはありません。」
「固いなぁ……まぁ、仕方ないか。じゃあ、黒ちゃんにしようっと!あ、俺の名前は菅原慶太〈スガワラケイタ〉。気軽に名前呼んで!」
「……あ、じゃあ菅原さんで。」
「おいおい!それの何処が気軽にだよ!あ、ちなみに歳はいくつ?」
「……今年で22になります。」
「へぇー、じゃあ大学4年か?俺は25歳で会社勤めしてる。」
「はい、4年です。通りで……凄く大人っぽいなって思ってました。」
「えっ、マジか!大人に見えるとか……な!マスター!俺、大人に見える!?」
「……コイツに絡まれるとホント面倒いから気を付けな、若い兄ちゃん。あ、あとお前は子供にしか見えねぇから。そのすぐ悪絡みする癖やめとけ。」
「ちょっ…俺、客なんだけど!?」
その後も、グダグダと言い合いを続ける二人に……思わず笑みが零れてしまった。
「…ぷっ……くくっ」
「あっ、笑った!黒ちゃん、笑った!!」
「え?」
「……やっぱり、笑顔が一番可愛いね。黒ちゃんは。もっと笑いな!」
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