第5章

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「……名前を教える義理は、初対面の貴方にはありません。」 「固いなぁ……まぁ、仕方ないか。じゃあ、黒ちゃんにしようっと!あ、俺の名前は菅原慶太〈スガワラケイタ〉。気軽に名前呼んで!」 「……あ、じゃあ菅原さんで。」 「おいおい!それの何処が気軽にだよ!あ、ちなみに歳はいくつ?」 「……今年で22になります。」 「へぇー、じゃあ大学4年か?俺は25歳で会社勤めしてる。」 「はい、4年です。通りで……凄く大人っぽいなって思ってました。」 「えっ、マジか!大人に見えるとか……な!マスター!俺、大人に見える!?」 「……コイツに絡まれるとホント面倒いから気を付けな、若い兄ちゃん。あ、あとお前は子供にしか見えねぇから。そのすぐ悪絡みする癖やめとけ。」 「ちょっ…俺、客なんだけど!?」 その後も、グダグダと言い合いを続ける二人に……思わず笑みが零れてしまった。 「…ぷっ……くくっ」 「あっ、笑った!黒ちゃん、笑った!!」 「え?」 「……やっぱり、笑顔が一番可愛いね。黒ちゃんは。もっと笑いな!」
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