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「……別に…。」
―――そんな事を面と向かって言われた事が無かったので、少し照れてしまった。
「…あれ?照れてる?ホント、可愛いなぁ…。」
「て、照れてませんから!」
そう言って、そっぽを向いた。
―――ダメだ。この人に自分のペースを乱されてはいけない。
「つまんないなー……。あ、もう遅い時間だし……送って行くよ。」
「結構です。僕、男なんで。一人でちゃんと帰れますから。」
「男だって言ってもねぇ……だって、黒ちゃん可愛いじゃん。その辺の男が放っておかないよ?」
「いや!大丈夫ですから!本当に!!じゃあ、僕帰ります!」
菅原さんがしつこいので、僕は半ば強引に彼を振り払い、支払いも済ませて店を出た。
「ちょっと待ってよ。」
「……ついて来ないで下さい。本当にいいんで。」
「いや、ホント危ないから!近くまででも送るってば!」
―――しつこいな……。
多分、本当に僕の心配をしてくれている様だが……こんなにしつこいとこっちも腹が立ってくる。
「…さん?リンさんっ!?」
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