第1章

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「それじゃあ、俺…連絡したくなったらしますんで。……ちゃんと出て下さいよ?それで、もし良ければ……黒瀬さんの方からも連絡してくれれば。」 「あっ……はい。」 「じゃあ、また。」 そう右手を挙げて人混みの中へと消えて行った。 僕は、その後ろ姿を見つめながら……右手を自分の頬に持っていっていた。 「…いてっ……、あ……やっぱり、夢じゃ…ないのか?……連絡先も、…僕のケータイに入ってるし……。」 そんな事をブツブツと一人で呟いてしまうほど、今の状況が有り得ないという事を自分でも感じていた。 「……どうせ、からかうためだよね…。うん、そうだ。そういう事だ。」 そう思っても……たった今交換した連絡先を消す事が出来なくて、僕はそのままケータイの電源を切った。 その日……僕は気が動転していたのか、結局惣菜を買う忘れてしまい、諦めてカップ麺を一人で食べた。 ピロリン… 次の日の朝、ケータイのメール音に僕は起こされた。 「……メール?誰だろ…」 メールを開くと、其処には昨日見たあの名前が。
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