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胸が、苦しくなる。
「だから……翔汰が幸せになってくれるのを私は願ってるのよね。その為なら、仕事も頑張れる。」
「……あの…、」
「ん?どうしました?」
「何で、そんな話……僕にしてくれたんですか?」
事情も知らない、今日初めて出会ったばかりの僕なんかに……。
「…どうしてなんですかね。でも……何か貴方には言った方がいいって、自分の勘が働いたのかな?」
―――そう言ってクスクスと笑ったお母さんは……とても綺麗だった。
その後、お母さんは今日の夕食を作るとそのまま仕事場へと向かった。
「出来るなら……今日は泊まってくれるとありがたいんだけど、大丈夫かしら?」
「分かりました。任せて下さい。」
「本当にありがとう!もう少しすれば…長女と次男も帰ってくると思うからよろしくお願いしますね。」
「分かりました。」
そう言って彼女を送り出し、僕は兄弟の面倒を見る事にした。
「真衣ちゃん、芽衣ちゃん、それと滉輝くん!皆が帰ってくるまで僕と遊ぼうか。」
髪が短いのが真衣ちゃん、長いのが芽衣ちゃん、そして、少し小さい男の子が滉輝くんだ。
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