第5章

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そう言う彼の瞳は虚ろで……まだ意識が朦朧としているらしい。 「……相澤、君…」 「あの時みたいに……名前で呼んで下さい。」 「えっ……」 「名前で呼ばないと……キス、しちゃいますよ?」 「はっ…!?」 ―――熱に侵されているからと言って……なんて事言うんだっ!恥ずかしすぎる…。 「相澤……」 「翔汰、です。……ほら、早く言わないと…」 そう言って、僕の首に手を回してきたので流石にヤバイと思い……僕は名前を呼んだ。 「しょ、…翔汰、君……!」 「……聞こえないよ。」 ―――でも、嬉しそうに微笑んでいる。 「翔汰君!ほら、早くお粥食べて!」 「……分かりました。」 「一人で食べられる?」 「……食べれない。」 ―――甘えん坊だな。……でも、可愛いと思った。 「じゃあ……ちょっと起きて。はい、口開いて?あーん……」 すると、彼の口が開かれ……僕は口元へお粥を運んだ。 「ん、……美味い。リンさん…もっと……」 熱に侵された彼は……死ぬ程色気があって、僕は終始ドキドキしっぱなしだった。
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