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そう言う彼の瞳は虚ろで……まだ意識が朦朧としているらしい。
「……相澤、君…」
「あの時みたいに……名前で呼んで下さい。」
「えっ……」
「名前で呼ばないと……キス、しちゃいますよ?」
「はっ…!?」
―――熱に侵されているからと言って……なんて事言うんだっ!恥ずかしすぎる…。
「相澤……」
「翔汰、です。……ほら、早く言わないと…」
そう言って、僕の首に手を回してきたので流石にヤバイと思い……僕は名前を呼んだ。
「しょ、…翔汰、君……!」
「……聞こえないよ。」
―――でも、嬉しそうに微笑んでいる。
「翔汰君!ほら、早くお粥食べて!」
「……分かりました。」
「一人で食べられる?」
「……食べれない。」
―――甘えん坊だな。……でも、可愛いと思った。
「じゃあ……ちょっと起きて。はい、口開いて?あーん……」
すると、彼の口が開かれ……僕は口元へお粥を運んだ。
「ん、……美味い。リンさん…もっと……」
熱に侵された彼は……死ぬ程色気があって、僕は終始ドキドキしっぱなしだった。
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