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お粥と飲料水で再び落ち着いた彼はまたゆっくりと眠りについた。
僕はおでこのタオルをもう一度変え、そのまま居間へと戻った。
すると……
兄弟達が、ご飯を食べないで待っててくれていたのだ。
「あっ、ごめん!食べてても良かったのに……」
「家は、家族みんなで……この家の中に居る人皆で食べるっていうのが決まりなんで。」
「そっか……」
―――ホント、いい家族だ。
「じゃあ……食べようか。頂きます。」
「「頂きます!」」
「…美味しい!!お母さんの料理美味しいね!」
「だよねっ!?お母さんの料理美味しいんだ!」
そう言って、滉輝くんがニコリと笑った。
「うん、凄く美味しいね。……そして、あったかい……。」
―――こんな、暖かい家族に囲まれて食べる食事なんて……生まれてから経験した事無かった。
「……黒瀬さん、良かったらまた来て下さい。」
「えっ……?」
突然の來夜君の発言に驚き、思わず彼の方を凝視した。
「……真衣も芽衣も、滉輝も……黒瀬さんの事気に入ったみたいですし。で、またご飯食べましょう。」
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