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―――この人、本当に何処まで分かるの?
「……はい。まずは、言わなきゃいけない人が居るんで。」
「そっか……、でも俺に最初に言ってくれたのは嬉しかったな。まぁ、俺にとって良い返事を聞きたかったけど。」
「其処は……ごめんなさい。」
「良いよ、……想いって、止められないモノだからね。」
僕は、思いっきり立ち上がった。
「菅原さんっ…!」
「……うん、ほら…早く行きな。」
「菅原さんに出逢えて良かったです!……そして、また逢いましょう!じゃあ、失礼しますっ!!」
―――僕は、飛び出した。
「……黒ちゃん、俺も逢えて良かったよ。」
その言葉は、僕の耳には届かずに消えた。
ひたすら走った。
―――僕の、帰るべき場所へ。
其処で待っている、シュウちゃんに……この気持ちを伝える為に。
「おう、おかえり。あれ?お前、今日は帰らないんじゃなかったのか?」
「ハァ…ハァ…、ハァー……」
「息切らして……走って来たのか?何かあった…」
「シュウちゃんに、聞いてもらいたい事があります。」
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