第5章

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「……っ、…」 「でも!これだけは言える。」 「シュウちゃんは、僕にとって……一番大切な人だよ。」 「……リン…!」 「……僕には、シュウちゃんに対して恋愛感情を持ったことは無い。けどね、シュウちゃんは僕にとっていっち番!大切な友人だし、何より……僕もシュウちゃんに今まで貰ってきた優しさを返したい。」 あの、……シュウちゃんが僕の言葉で泣いている。 ―――静かに、綺麗な涙を零して。 「だから……比べられないんだ。シュウちゃんはシュウちゃんで僕にとって大切な人だし、彼は彼で僕にとって大切な人なんだ。……分かってくれる…?」 すると……もう一度強く抱き締められた。 「うっ……痛いよ、シュウちゃん……」 「……我慢しとけ。今日で、お前の一番の友人に戻ってやるから。」 「ふははっ……分かった。」 シュウちゃんの温もりを、僕は一生忘れない。 「……じゃあ、リン。頑張って来いよ。」 「……うん、ありがとう。シュウちゃん。」 「泣かされたら、また俺が慰めてやる。」 「不吉な事言わないでよ!もう!」 「リン。」 僕が、怒って玄関を出ようとした瞬間、シュウちゃんに呼び止められる。 「ん?」 「幸せになれよ。」 「……うんっ…!」 ―――次は、僕の番だよ。相澤翔汰君。
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