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『翔汰君。』
優しそうに、俺の名前を呼ぶリンさん。
俺の頬に、彼の温かい手が触れる。
『…好きだよ、翔汰君?』
「お……俺もっ…!!」
「うわっ…!ちょっ!兄ちゃん!!やめろって!!」
「……來夜?……あれ…?」
「……ちょっと離れろよ…、誰と勘違いしてんだか……」
「……悪い…あのさ、俺……いつの間に家に帰ってきたんだ?」
―――頭がまだボーッとする。
「黒瀬さんが来てくれたんだ。兄ちゃんの事、連れてきてくれて……面倒も見てくれてた。」
「えっ…!?リンさんが……来てたの!?」
「マジで覚えてないのかよ……」
「いや……何か、夢とごっちゃになってる……」
「まぁ、良いけど。あ、それと……黒瀬さんって可愛いな。」
だよな、分かる……って!?聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするんだが……?
「はぁっ!?!?お前、何言って……」
「多分……兄弟全員黒瀬さんの事、好きになったんじゃね?滉輝も真衣も芽衣も……すげぇ懐いてたし。」
―――冗談じゃねぇよ!!!ってか、リンさんってどれだけ人を惹き付けるワケ!?
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