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―――リンさんの隣には……何時だって誰か居た。
……けれど、リンさんがいつまで経っても満たされないのは…何故?
―――それは、本当に好きな人ではないから?
リンさんは、自分が心から愛して……相手にも心から愛してもらう相手を求めている…から?
それが……今、周りに居る奴には出来ないのなら……。
「俺が……その役割をもう一度、担ってもいいのかな……」
「え?何?」
「……何でもない。それと、母さん。」
「ん?」
「…ありがとう。俺、もう一度…頑張ってみるよ。次は絶対に道を間違えない。」
「……ふふ、それでこそ私の息子だわ。」
「兄ちゃん、吹っ切れたみたいで良かったな。」
母さんと、來夜が嬉しそうに頬を緩めた。
「おう!ありがとな。」
「とりあえず、早く風邪治しなさい。」
「分かってるよ。」
そう笑って……また俺は眠りについた。
―――ここ最近で、一番よく眠れた日だった。
次の日の朝……
「な、何でリンお兄ちゃん居ないのぉ…!」
朝から下3人が煩い。
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